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原油価格とFXの関係|原油が動くと為替はどうなる?
原油価格がFX市場に与える影響を解説。カナダドル・豪ドル・ノルウェークローネなど資源国通貨との関係、原油と円の関係、トレードへの活用法を紹介します。
原油は世界で最も取引量の多いコモディティ(商品)であり、為替市場にも大きな影響を与えます。 「原油価格が上がるとカナダドルが買われる」「原油高は日本にとって円安要因」など、原油とFXには明確な関連性があります。原油と為替の関係を把握しておくと、資源国通貨のトレードで優位性を持てます。

原油の基本知識

主要な原油指標

指標説明
WTI原油米国テキサス産。世界で最も取引される原油先物
ブレント原油北海産。欧州・アフリカ・中東の基準価格
ドバイ原油中東産。アジア向けの基準価格

FXトレーダーが注目すべきはWTI原油です。最も流動性が高く、ニュースでも頻繁に報道されます。

原油価格を動かす要因

要因影響
OPEC+の増減産生産量の調整が供給に直結
世界景気好景気→需要増→価格上昇、不景気→需要減→価格下落
地政学リスク中東の紛争→供給不安→価格上昇
米国の在庫統計毎週水曜(EIA)の在庫データが短期の価格を動かす
ドルの強弱原油はドル建て。ドル高→原油安、ドル安→原油高

原油と通貨の関係

資源国通貨(原油高で上昇しやすい通貨)

原油を輸出している国の通貨は、原油価格の上昇で恩恵を受けます。

通貨原油との関連
カナダドル(CAD)カナダは世界第4位の原油輸出国。原油との相関が最も高い
ノルウェークローネ(NOK)北海油田を持つ欧州最大の原油輸出国
ロシアルーブル(RUB)世界有数の産油国。ただし制裁リスクあり

特にUSD/CADと原油価格の逆相関は非常に有名です。原油高→CAD高→USD/CAD下落、原油安→CAD安→USD/CAD上昇。

資源消費国通貨(原油高で下落しやすい通貨)

原油を大量に輸入している国の通貨は、原油価格の上昇でマイナスの影響を受けます。

通貨原油との関連
日本円(JPY)日本はエネルギーの約9割を輸入に依存
インドルピー(INR)世界第3位の原油輸入国
トルコリラ(TRY)エネルギー輸入依存度が高い

原油価格と日本円の関係

日本は原油をほぼ全量輸入に頼っています。原油価格の上昇は以下のメカニズムで円安要因となります。

  1. 原油価格が上昇
  2. 日本のエネルギー輸入コストが増加
  3. 貿易赤字が拡大
  4. 円売りドル買いの実需が増加
  5. 円安

逆に、原油価格の下落は日本の貿易収支を改善させ、円高要因になりえます。

原油価格と米ドルの関係

原油はドル建てで取引されるため、ドルと原油には基本的に逆相関の関係があります。

  • ドル高 → 同じ量の原油を買うのに必要なドルが相対的に少なくなる → 原油安圧力
  • ドル安 → 同じ量の原油を買うのに必要なドルが相対的に多くなる → 原油高圧力

ただし、この関係は常に成り立つわけではなく、需給要因が強い場合はドルの動きと無関係に原油が動くこともあります。

FXトレードでの活用法

活用法1: USD/CADのトレードに原油を活用

USD/CADは原油価格と最も強い相関を持つ通貨ペアです。

トレード手順:

  1. 原油価格のトレンドを確認(WTI日足チャート)
  2. 原油が上昇トレンド → USD/CADの売り(CAD買い)方向を検討
  3. 原油が下降トレンド → USD/CADの買い(CAD売り)方向を検討
  4. USD/CADのテクニカル分析でエントリーポイントを決定

活用法2: 円クロスの方向性判断に利用

原油価格の大きなトレンドは、日本の貿易収支を通じて円全体の方向性に影響します。

  • 原油が中長期で上昇トレンド → 円安方向のバイアス
  • 原油が中長期で下降トレンド → 円安圧力の緩和

活用法3: リスクセンチメントの補助指標

原油価格の急落は世界景気の減速シグナルとして受け取られることがあり、リスクオフの兆候を示します。

  • 原油が急落 → 景気後退懸念 → リスクオフ → 円高・ドル高
  • 原油が堅調 → 世界経済は安定 → リスクオン → 円安

活用法4: 原油在庫統計をトレードイベントとして活用

毎週水曜日(日本時間23:30/夏時間22:30)に発表されるEIA週間石油在庫統計は、原油価格を短期的に動かし、CADにも波及します。

  • 在庫が予想より減少 → 原油高 → CAD高
  • 在庫が予想より増加 → 原油安 → CAD安

原油関連の注意点

相関は常に一定ではない

原油とCADの相関は過去のデータで確認されていますが、常に100%連動するわけではありません。金利差やリスクセンチメントなど、他の要因が原油の影響を上回ることもあります。

地政学リスクによる急変動

中東情勢の急変などで原油価格が急騰した場合、通常の相関関係が崩れることがあります。供給不安による原油高はリスクオフを伴うため、資源国通貨が必ずしも上がるとは限りません。

オイルマネーの動き

中東の産油国が原油収入で得たドル(オイルマネー)を他国の資産に投資する動きも為替に影響します。ただし、この動きは不透明で予測が困難です。

まとめ

原油価格は、資源国通貨や日本円の動きに大きな影響を与える重要なファクターです。

覚えておきたいポイント:

  • 原油高 → 資源国通貨(CAD)上昇、輸入国通貨(JPY)下落
  • USD/CADと原油は最も強い逆相関。原油をCADトレードの先行指標に使える
  • 原油はドル建てのため、ドルと基本的に逆相関
  • 原油価格の中長期トレンドは日本の貿易収支と円の方向性に影響
  • 原油の急落は景気後退懸念→リスクオフのシグナルになりうる
  • 相関は常に一定ではない。他の要因も総合的に判断する
  • 通貨強弱チャートで原油の影響が通貨に反映されているか確認する

FX-Laboの通貨強弱チャートでCADやJPYの動きを確認し、原油価格のトレンドと照らし合わせてみてください。

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