フィボナッチとは
フィボナッチ数列
フィボナッチ数列とは、13世紀のイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが紹介した数列です。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, ...
各数字は前の2つの数字の合計になっています(1+1=2, 1+2=3, 2+3=5...)。
黄金比との関係
フィボナッチ数列から導かれる重要な比率があります。
| 比率 | 計算例 | FXでの意味 |
|---|---|---|
| 61.8% | 55÷89 = 0.618 | 最も重要な比率。「黄金比」 |
| 38.2% | 55÷144 = 0.382 | 浅い押し・戻りの目安 |
| 50.0% | (フィボナッチ比率ではないが慣習的に使用) | 半値押し・半値戻り |
| 23.6% | 55÷233 = 0.236 | 非常に浅い押し・戻り |
| 78.6% | 0.618の平方根 = 0.786 | 深い押し・戻り |
この中で最も重要なのは**38.2%、50.0%、61.8%**の3つです。
なぜフィボナッチが為替で機能するのか
「自然界の比率がなぜ為替に?」と疑問に思うかもしれません。機能する最大の理由は**「多くのトレーダーが使っているから」**です。
世界中のトレーダーがフィボナッチの水準で注文を出すため、結果的にその水準で反発が起きやすくなる。これはサポートライン・レジスタンスラインと同じ**自己実現的予言(セルフ・フルフィリング・プロフェシー)**の原理です。
フィボナッチ・リトレースメントの引き方
基本ルール
フィボナッチ・リトレースメントは、トレンドの起点と終点を結んで引きます。
上昇トレンドの場合:
- 安値(起点)から高値(終点)に向かって引く
- 押し目(下落)がどこまで進むかを予測
下降トレンドの場合:
- 高値(起点)から安値(終点)に向かって引く
- 戻り(上昇)がどこまで進むかを予測
具体的な手順
ステップ1: トレンドを確認する
まず、明確なトレンド(上昇または下降)が存在するかを確認します。トレンドがない(レンジ相場の)場合、フィボナッチは効きにくいです。
ステップ2: トレンドの起点と終点を特定する
- 上昇トレンド → 直近の目立つ安値と目立つ高値を特定
- 下降トレンド → 直近の目立つ高値と目立つ安値を特定
ステップ3: ツールで引く
チャートツールのフィボナッチ・リトレースメント機能を使い、起点から終点に線を引くと、自動的に各比率のラインが表示されます。
どの波に引くか
フィボナッチを引く「波」の選び方で結果が変わります。
| 対象の波 | 用途 |
|---|---|
| 直近の小さな波(1時間足レベル) | 短期トレードの押し目・戻り |
| 中期的な波(4時間足〜日足レベル) | デイトレード〜スイングの判断 |
| 大きな波(週足〜月足レベル) | 中長期のサポレジ水準 |
上位足のフィボナッチ水準ほど信頼度が高いです。
各水準の特徴
23.6% — 非常に浅い押し
強いトレンドの場合、23.6%程度のわずかな押しで反転して元のトレンドに戻ることがあります。トレンドの勢いが非常に強い証拠。
38.2% — 浅い押し
強いトレンド中の標準的な押し目の水準です。トレンドの勢いが残っている場合、38.2%付近で反発することが多いです。
トレンドフォローの買い場(売り場)として最もポピュラーな水準。
50.0% — 半値押し
厳密にはフィボナッチ比率ではありませんが、「半値戻し」として広く使われています。多くのトレーダーが意識するため、実際に機能しやすいです。
61.8% — 黄金比(最重要)
フィボナッチの中で最も重要な水準です。
61.8%まで押した場合、ここで反発すればトレンドが継続する可能性が高い。逆に61.8%を明確に割り込むと、トレンドが終了した可能性が出てきます。
「61.8%を超えるか超えないか」は、トレンド継続か転換かの分水嶺です。
78.6% — 深い押し
61.8%を超えて78.6%まで押した場合、トレンドの勢いはかなり弱まっています。ここで反発すれば「最後の砦」ですが、ここも割れるとトレンド転換の可能性が高まります。
フィボナッチを使ったエントリー戦略
活用法1: 押し目買い・戻り売り
最も基本的な使い方です。
上昇トレンドの押し目買い手順:
- 上昇トレンドを確認
- フィボナッチを安値→高値に引く
- 価格が38.2%〜61.8%のゾーンに押してくるのを待つ
- 反転のローソク足パターン(ピンバー、包み足など)を確認
- 買いエントリー。損切りは61.8%(または78.6%)の少し下
活用法2: フィボナッチ + サポレジの重複
フィボナッチの水準と水平線のサポート/レジスタンスが重なる価格帯は、非常に信頼度が高いです。
例:
- フィボナッチ50%の水準 = 150.50円
- 過去に何度も反発したサポートライン = 150.40円
- 2つが近い → この150.40〜50円ゾーンは非常に強いサポート
このように**複数の根拠が重なる「コンフルエンスゾーン」**を探すのがプロの使い方です。
活用法3: 通貨強弱チャートとの併用
フィボナッチの水準に価格が到達したとき、通貨強弱チャートで方向性を確認します。
例: USD/JPYがフィボナッチ38.2%に押してきた場合
- 通貨強弱でUSDが再び上昇し始めている → 反発の可能性が高い → 買い
- 通貨強弱でUSDがまだ下降中 → さらに押す可能性 → 50%や61.8%まで待つ
活用法4: 利確の目標値として使う
フィボナッチは利確の目標値としても使えます。
フィボナッチ・エクステンション(拡張) として、100%を超える水準を使います。
| 水準 | 使い方 |
|---|---|
| 100% | 前回の高値/安値と同じ幅の動き |
| 127.2% | 第1目標 |
| 161.8% | 第2目標 |
| 200% | 大きなトレンドの目標 |
フィボナッチで失敗しないために
フィボナッチ単独で使わない
フィボナッチはあくまで**「反発しやすい価格帯」の目安**です。以下と組み合わせて使いましょう。
- ローソク足パターンでの反転確認
- 移動平均線やボリンジャーバンドとの重複
- 通貨強弱チャートでのトレンド方向確認
- サポートライン・レジスタンスラインとの重複
引き方に「正解」はない
起点と終点をどこに取るかは、人によって多少異なります。「この引き方が唯一の正解」というものはないため、複数の引き方を試して、最もよく反応している水準を採用しましょう。
レンジ相場では効きにくい
フィボナッチは明確なトレンドが存在する場合に有効です。方向感のないレンジ相場では、サポートライン・レジスタンスラインの方が実用的です。
信じすぎない
「フィボナッチ61.8%だから絶対に反発する」とは限りません。重要なファンダメンタルズの変化(FOMCの利上げ、地政学リスクなど)があれば、フィボナッチの水準は簡単に突破されます。
まとめ
フィボナッチ・リトレースメントは、押し目買い・戻り売りのタイミングを計る強力なツールです。
活用のヒント:
- フィボナッチの重要な水準は38.2%、50.0%、61.8%
- 61.8%はトレンド継続か転換かの「分水嶺」
- 上位足のフィボナッチほど信頼度が高い
- サポレジやローソク足パターンと重なる「コンフルエンスゾーン」を探す
- 通貨強弱チャートで方向性を確認してからエントリーする
- フィボナッチ単独ではなく、必ず他の分析と組み合わせる
- レンジ相場では効きにくい。トレンドが明確な場面で使う
FX-Laboの通貨強弱チャートでトレンドの方向を確認し、フィボナッチ水準での反発を狙ったトレードを練習してみてください。






















