移動平均線とは
移動平均線とは、過去の一定期間の終値の平均値を線で結んだものです。英語ではMoving Average(MA)と呼ばれます。
例えば「20日移動平均線」なら、過去20日間の終値を平均した値を毎日プロットして線にしたものです。
移動平均線の種類
| 種類 | 略称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 単純移動平均線 | SMA | 期間内の終値を単純に平均。最も基本的 |
| 指数平滑移動平均線 | EMA | 直近の価格に重みを置く。反応が速い |
| 加重移動平均線 | WMA | 直近ほど重みが大きい。EMAに近い |
初心者は**SMA(単純移動平均線)**から使い始めるのがおすすめです。慣れてきたらEMAも試してみましょう。
よく使われる期間設定
| 期間 | 用途 |
|---|---|
| 5期間 | 超短期の値動きを確認 |
| 20〜25期間 | 短期トレンドの確認(約1ヶ月の営業日数) |
| 50期間 | 中期トレンドの確認 |
| 75期間 | 中期トレンド(日本で人気) |
| 100期間 | 中長期トレンドの確認 |
| 200期間 | 長期トレンドの確認。世界中のトレーダーが注目 |
迷ったら「20」と「200」の2本から始めてください。この2本だけで多くの情報が得られます。
移動平均線の基本的な見方
1. トレンドの方向を判断する
- MAが右肩上がり → 上昇トレンド
- MAが右肩下がり → 下降トレンド
- MAがほぼ水平 → レンジ(トレンドなし)
200日移動平均線の向きを見るだけで、大きなトレンドの方向が分かります。
2. レートとMAの位置関係
- レートがMAの上 → 買い優勢
- レートがMAの下 → 売り優勢
シンプルですが、これだけで「今は買い目線か売り目線か」を決められます。
3. MAの角度(傾き)
MAの傾きが急なほど、トレンドの勢いが強いことを示します。傾きが緩やかになってきたら、トレンドが弱まっている可能性があります。
ゴールデンクロスとデッドクロス
移動平均線の最も有名な売買シグナルです。
ゴールデンクロス(買いシグナル)
短期MAが長期MAを下から上に突き抜けること。上昇トレンドの始まりを示唆します。
- 例: 20MAが200MAを上抜け → 買いシグナル
デッドクロス(売りシグナル)
短期MAが長期MAを上から下に突き抜けること。下降トレンドの始まりを示唆します。
- 例: 20MAが200MAを下抜け → 売りシグナル
クロスの精度を上げる3つのポイント
単純にクロスだけでエントリーすると「ダマシ」に遭いやすいです。以下のフィルターを追加しましょう。
1. 長期MAの傾きを確認する
ゴールデンクロスの場合、200MAが上向き(または水平)のときだけ有効と判断する。200MAが下向きの中でのゴールデンクロスはダマシの可能性が高い。
2. 通貨強弱チャートで確認する
クロスが発生した通貨ペアの強弱を確認。買い通貨が強く、売り通貨が弱い状態ならシグナルの信頼度が高い。
3. クロス後のリテストを待つ
クロス発生直後ではなく、一旦MAまで戻ってきて再び反発したポイントでエントリーする。これにより、ダマシのクロスを避けられます。
移動平均線を使った実践手法
手法1: MAの押し目買い・戻り売り
最も基本的で信頼性の高い手法です。
買いの場合:
- レートが20MAの上にあることを確認(上昇トレンド中)
- レートが20MAまで下落(押し目)
- 20MA付近でローソク足の反発サインを確認(下ヒゲ、陽線包み足など)
- 買いエントリー
- 利確: 前回高値付近 / 損切り: 20MAの下
手法2: パーフェクトオーダー
短期・中期・長期のMAが順番に並んでいる状態を「パーフェクトオーダー」と呼びます。
- 買いのパーフェクトオーダー: 短期MA > 中期MA > 長期MA(上から順)
- 売りのパーフェクトオーダー: 短期MA < 中期MA < 長期MA(下から順)
パーフェクトオーダーの状態は強いトレンドが継続中であることを意味し、トレンドフォローの信頼度が高くなります。
手法3: グランビルの法則
移動平均線の考案者グランビルが提唱した8つの売買ルール。最も重要な4つを紹介します。
| # | 条件 | アクション |
|---|---|---|
| 1 | MAが下落→横ばい→上昇に転じ、レートがMAを上抜け | 買い |
| 2 | レートがMA上昇中にMAまで下落して反発 | 買い(押し目買い) |
| 3 | MAが上昇→横ばい→下落に転じ、レートがMAを下抜け | 売り |
| 4 | レートがMA下落中にMAまで上昇して反落 | 売り(戻り売り) |
移動平均線の注意点
レンジ相場では機能しない
MAが水平に推移しているとき、レートが上下にMAを何度も横切ります。この状態でクロスを売買シグナルにすると、ダマシが連発して損失が膨らみます。
対策: MAの傾きが十分にあるときだけシグナルを採用する。
遅行指標である
移動平均線は過去のデータの平均であるため、シグナルは常に遅れて出ます。トレンドの初動を捉えるのは難しく、「シグナルが出た頃にはトレンドの半分が終わっている」こともあります。
対策: 通貨強弱チャートや他のインジケーターと組み合わせて、早めの判断を補助する。
万能な設定値はない
「最強のMA設定」を探す人は多いですが、すべての相場に完璧に機能する設定値は存在しません。大切なのは自分のトレードスタイルに合った設定を1つ決めて、一貫して使い続けることです。
まとめ
移動平均線はシンプルでありながら、最も実践的なインジケーターです。
活用のヒント:
- MAの向きでトレンドの方向、レートとの位置関係で売買方針が分かる
- 迷ったらSMAの「20」と「200」の2本から始める
- ゴールデンクロス/デッドクロスは、長期MAの傾き・通貨強弱・リテストで精度を上げる
- 押し目買い・戻り売りが最も基本的で信頼性の高い手法
- レンジ相場ではMAのシグナルに従わない
- 遅行指標であることを理解し、通貨強弱チャートと併用する
FX-Laboのマルチチャートで移動平均線を表示して、実際の相場で確認してみてください。






















